パズル制作の裏側 第28話

【前回】パズル制作の裏側 第27話

パズル紹介、続けましょう。
 なぜこれまで紹介するのを忘れていたんだろう、と急に思い出したパズルを今回は紹介。それは「詰めクロス」。漢字館シリーズではあまり見かけないので失念していたのですが、古典的でシンプルなスタイルです。それでは例題をどうぞ。

うん? なんだかわかりませんね。これを埋めろと言われても、ちょっと無理。それはそのはず。詰めクロスには「リスト」がついているのです。

(リスト)栄・影・応・間・休・健・剤・子・食・素・着・特・白・姫・保・夢・養・蘭・連

 リストの文字をマス目にあてはめてください、というスタイルです。使われずに残る3文字で言葉を作成してください、というもの。どうでしょう、解けますか? 解答は次のようになります。

リストに残る文字は「栄・素・養」、つまり解答は「栄養素」になります。いかがでした? 簡単すぎたかもしれませんね。それでは次だとどうでしょう?

ヒントとなるあらかじめマス目に入っている文字から「定・物・注・薬」を消してみました。もちろん、その分はリストに加わることになります。つまり次のように。かなり難易度が上がった気がします

(リスト)栄・影・応・間・休・健・剤・子・食・素・着・注・定・特・白・姫・物・保・夢・薬・養・蘭・連
それでは次はどうでしょう?

リストは以下

(リスト)栄・影・応・間・休・響・健・剤・子・瞬・食・素・着・注・定・特・白・姫・物・保・夢・薬・用・養・蘭・連

 ヒントとなるあらかじめマス目に入っている文字から「用・響・瞬」を消しました。こうなるともう「かなりムムム」の世界です。特に2文字のみの部分、「響・瞬」のところは最後まで埋まらないかと思います。それでも強烈な言葉(「幻影」「影響」「饗応」)を使用しているので、まだ取っ掛かりはあるかもしれません。

 このように詰めクロスは難易度をいかようにも変化させることができます。ですが、やり過ぎると「別解」が生まれてしまう場合も。すなわちパズルとして成立しなくなっていることがあり得るのです。この続きや、さらなる考察は、また次号で。

●このコラムは、難問漢字館Vol.30に掲載されたものです。

【次回】パズル制作の裏側 第29話

ページトップへ戻る