パズル制作の裏側 第25話

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箸休めも大切。パズル紹介。
漢字ナンクロのファンにもいろいろな方がいます。漢字ナンクロ命!の方もいれば、実は漢字パズルもそこそこ好きなの!という方もいるような。漢字館シリーズにはいくつも雑誌があります。どの編集の方も「どういうテイストでいけば読者に、より楽しんでもらえるだろう」と、いつも気にかけているように見えます。ちなみに、本誌・難問館の読者はナンクロ好きが多いと聞いてます。それもよし。こちらとしては(遠慮なく、笑)ヒントが1文字しかない問題なんかを提出できますから。(ヒントなしとか、ヒント1文字という問題には「そこそこ解き口を作らないとダメ」というカセ・工夫が必要なんです。だって「解けない」とオモシロクないですもんね。ヒント文字を少なくするのには、そこそこ「手間」がかかるんですが、同時に、初めて漢字パズルに取り組んだ方にもオモシロガレルものを、とも、いつも、、パズル作家と編集者は常にいろいろ・うろうろ、試行錯誤しているんです。(なので、感想くださいませ。厳しいのでも構いませんので。)

 ま、気分転換も大切。私自身はそれほど見ないため、それほど詳しくないんですが、テレビではクイズ番組が大流行中のよう。そのなかには「難読」を筆頭に漢字問題も多々出題されています。これを楽しみにしている本誌の読者も少なくないのではないかなあと。ボーッと見てるうちに「あ、こんな難読問題も出題されてるのか!」と慌ててメモに走ることも多々。これからは見るようにしようと、その場では決意しながら、次の週には忘れてるのが私のダメダメなとこ、なんですけれど。

さて今回は(箸休めとして)漢字パズルを紹介してみます。「ジグザグ熟語パズル」。「さくさく漢字館」には毎回、掲載されてます。(ちなみに私が作成してます、笑。)そればかりを集め冊子も出版されてるはず。とりあえず、例題マス目を以下に。

ルールは「リストの言葉をタテ・ヨコに進めながらマス目を埋めてください」、それだけ。以下、リスト。


1 歩行者天国
2 万国旗
3 如意棒
4 和漢混淆文

 これは、、簡単に解けるのではないでしょうか。
 2文字めの「行」「国」「意」「漢」は、それぞれ右マスにしか入りません。同様に「者」「旗」「棒」「混」も、それぞれさらに右のマスにしか入りません。「万国旗」と「如意棒」はこれで完成。「天」「淆」もそれぞれ右マスにしか入りませんし、よって、「国」「文」は必然的に残っているマスに入ります。

あはは、簡単カンタン。さて、次はどうでしょう。リストは以下。さっきのと少し、変わってます。しかし、難易度は、


1 歩行者天国
2 万国旗
3 和漢混淆文
4 卒業論文 

 2文字めの「行」「業」はそれぞれ右と左にしか入りません。 

 けれど、むむむ、、ここまではよいとして、「者」は右にも下にも入りますし、「国」も同様。「漢」と「論」は上と左の双方に入る可能性があります。つまり、次の状態がありえます。色マスの2文字になっている部分が不確定部分です。

ううむ。、、、ここでリストの中の「和漢混淆文」「卒業論文」の2つの熟語に共通して使用されている文字「文」に注目します。この「文」という文字がマス目上で共有されることを想定すると、ここまでマス目は埋まります。

おお。ここまでくれば「旗」は右にしか、よって「天」も右にしか入りません。よって最後に残る「国」も、必然的に配置が決まります。

かなり難易度が違いますね。また、この手のパズルでは「決定できない状態」というのもありえるんです。それについては、再来月に。あ、箸休めのつもりが2回にまたがることになりそう。ごめんなさい。少し不安なのは、この手のパズル紹介を続けるのはよいかということ。今回は「箸休め」として書きはじめたんですけど、、御意見ありましたら、ぜひぜひ編集部まで一報くださいませ。

●このコラムは、難問漢字館Vol.27に掲載されたものです。

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