訂正と補足をさせてください
第54話
今回を書くにあたり前回(第53話)を読み直しました。
訂正と補足をさせてください。
前回、
「L字型に3文字と4文字が交差する場合でも、左上で交差するのと左下・右上・右下で交差するのでは入れられる熟語が違います。三国一・三日天下、高学年・年百年中、日本海・海千山千、口達者・第一人者、こう書くとわかりやすいかもしれません」
と説明しましたが、訂正です!
「高学年・年百年中」「日本海・海千山千」は同じパターンでした、失礼しました。
それに「左上」とか「右下」とかの言い方が少しわかりづらかったですね。
正解のパターンを加えて、マス目にて補足説明してみます。
とにかく、それぞれの熟語には入りやすいマス目の配置というのがあるのです(漢数字や「者」のような文字が「終わりには来づらい」ということは実感としてあるかもしれませんね)。
そしてさらに補足として追記を。
「まっしろしろ」の場合、チェック表を少なくしすぎると(「まっしろしろ」は2文字熟語を比較的多くせざるを得ないこともあり)、思わぬところで2文字熟語が構成できない局面が出てくることがあるのです。
たとえば前にも例にあげた気もしますが、「料」の後に来れる文字はあまり多くなく、「理・金・地」くらい。
あとはせいぜい「国・所・紙・馬」くらいでしょうか、こちらはあまり馴染みがありませんよね。
「まっしろしろ」でない場合は「亭・簡・飲」みたいな文字を表出しとすればよいのですが、「まっしろしろ」だとそうはいかない。
アバウトに、というか余裕を持ってマス目を構成しながら、のろのろソロソロと作成していくのが「まっしろしろ」。
なので、3文字熟語を単独で(L字型とかではなくて)入れられる部分を最後にいくつか残しておくのが定石なんです。
最後の10パーセントくらいは詰め将棋というか、ジグソーパズルみたいな感じ。
最後の最後でチェック表以外の文字を使わないとマス目を構成できないなんてこともシバシバ。
泣きの局面(これが「料」みたいな文字の例ですね)。
そういう場合、熟語と熟語の入れ替え作業が必要になります。
あるいは、2文字を構成しないで済むエリアに(つまり上下左右、マス目全体の端っこに)配置替えしたり。
「3文字熟語を単独で(L字型とかではなくて)入れられる部分をいくつか残しておく」のが「まっしろしろ」の基本と書きました。
ただ、3文字熟語単独でも、2つパターンがあります。
こちらもマス目で確認しましょう。
たとえば「無一文」や「人気者」がどちらに入りやすいか、一目瞭然だと思います。
特に「者」で始まる熟語はほぼありませんし。
また「L字型とかではなくて」と書きましたが、場合によってはL字型部分をそっくり配置替えする場合もあります。
あるいは、3文字熟語単独で使用を予定していた熟語をL字型部分に組み込み直す、とか。
たとえば「無一文・文化人」と「料金所・所番地」を(たとえば料がうまく2文字を構成できないため)入れ替えるとか。
あるいはL字型で使用していた「料金所」を単独の3文字の場所に移し替えるとか。
あ、もう少し展開するつもりでいたのに、訂正と補足で誌面が……。
加えて、またもやワカリニクイかも。うまく伝わるとウレシイのですが……では、また次号で。
(このコラムは、難問漢字館Vol.56に掲載されたものです)